「アウディA3の燃費はどのくらいなのか」
特に3.2L V6のquattroとなると、情報はほとんど出てこない。台数が少なく、しかも20年前のモデルだからだ。
そこで筆者が納車から記録し続けてきた給油データ22回分を、すべて公開する。
結論から書く。実燃費は平均10.6km/L。カタログ燃費の9.7km/Lを上回った。
実燃費は平均10.6km/L|カタログ値を上回った
まず全体の数字を示す。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 集計期間 | 2026年3月〜8月 |
| 給油回数 | 22回 |
| 総走行距離 | 6,420.8km |
| 総給油量 | 608.37L |
| 平均実燃費 | 10.6km/L |
| メーター表示の平均 | 10.8km/L |
そして、公式カタログに記載されている10・15モード燃費は9.7km/L。
| 区分 | 燃費 |
|---|---|
| カタログ(10・15モード) | 9.7km/L |
| 実燃費(満タン法) | 10.6km/L |
実燃費がカタログを約9%上回った。
これは少し珍しい。当時のモード燃費は実際の走行より良い数値が出やすいとされ、実燃費がカタログを下回ることが多いとされるからだ。筆者の使い方が長距離走行の比率が高いことが、大きな要因だと思われる。
参考までに、同じカタログに載っている1.6LのA3 Attractionは12.4km/L。3.2 quattroとの差は2.7km/Lである。排気量が倍で4WDであることを考えれば、この差はむしろ小さい。
最高は14.1km/L、最低は6.3km/L

平均だけでは実態が見えないので、幅も書いておく。
| 燃費 | そのときの走行距離 | |
|---|---|---|
| 最高 | 14.1km/L | 338.6km |
| 最低 | 6.3km/L | 88.2km |
倍以上の差がある。同じクルマでも、走り方と条件でここまで変わる。
最低を記録したのは「短距離」の回だった
注目したいのは、最低の6.3km/Lを記録したときの走行距離がわずか88.2kmだったことだ。
エンジンが冷えた状態からの始動は燃料を多めに使う。街乗りで短距離しか走らなければ、その暖機分の割合が大きくなるし、信号でのストップ&ゴーの回数も増え、燃費は一気に悪化する。
「街乗りだと燃費が悪い」の正体は、信号や渋滞だけではない。1回あたりの走行距離が短いことも、大きな要因なのである。
同じ日に8.4km/Lと14.1km/Lを記録した日もある
1日に2回給油している日もあったが、その燃費は8.4km/Lと14.1km/L。同じ日、同じクルマで、これだけ違う。
燃費はクルマの性能だけで決まるものではないということが、よくわかる記録だと思う。
給油記録の全データ
参考までに、全22回の記録をそのまま公開する。

メーターの燃費計は正確か?
車載の燃費計は、実際とどれくらいズレるのか。22回分のデータで検証できる。
| 燃費 | |
|---|---|
| メーター表示(平均) | 10.8km/L |
| 実測(満タン法) | 10.6km/L |
| 差 | 約0.2km/L(誤差約2%) |
メーター表示の方がわずかに良い数字を出すが、その差はこれまでの記録では約2%であった。 実用上は十分に信頼できる精度だ。
日常的にはメーターの数値を見ていれば問題ない、と言えそうだ。
満タンで何km走れるか
燃料タンク容量は60L。実燃費10.6km/Lと掛け合わせると、満タンからの航続距離は約636kmという計算になる。
実際には給油警告が出てから走る余裕を考えると、1回の給油で500〜550km程度を安心して走れるイメージだ。記録を見ても、1回の給油で最長518.4km走った回がある。
「3.2LのV6」と聞くと、すぐガソリンが無くなりそうな印象を持たれる。 しかしタンクが60Lあるおかげで、航続距離はむしろ長い。長距離ドライブでの給油回数は思ったより少なくて済む。
3.2L V6 quattroとして、この数字はどうなのか

10.6km/Lが良いのか悪いのか。判断材料として、まず主要諸元を挙げておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | GH-8PBDBF |
| 車両重量 | 1,600kg |
| エンジン型式 | BDB |
| 総排気量 | 3,188cc |
| エンジン種類 | 水冷V型6気筒4バルブDOHC |
| 最高出力 | 184kW(250ps)/6,300rpm |
| 最大トルク | 320Nm(32.6kgm)/2,500〜3,000rpm |
| 駆動方式 | クワトロ(フルタイム4WD) |
| ミッション | 6速DSG(Sトロニック) |
| 燃料タンク容量 | 60L |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
1,600kgという車重
車両重量は1,600kg。 同じカタログに載っている1.6LのA3 Attractionは1,320kgなので、280kg重い。
V6エンジン、quattroの四輪駆動システム、そしてDSG。走りのための装備を積んだ結果である。
つまりこのクルマは、大排気量・重い車体・四輪駆動という、燃費に不利な条件を3つ揃えている。
歴代の愛車と比べてみる
筆者がこれまで乗ってきたクルマと、同じ満タン法で実測した燃費を並べてみる。
| 車種 | 排気量 | 駆動 | 車両重量 | 実燃費 |
|---|---|---|---|---|
| RX-8 | 1.3L ロータリー | FR | 1,310 kg | 9.1 km/L |
| ロードスターRF | 2.0L 直4 | FR | 1,110 kg | 16.2 km/L |
| アウディA3 | 3.2L V6 | 4WD | 1,600 kg | 10.6 km/L |
※車両重量はいずれも車検証の記載値
A3は3台の中で最も重く、最も排気量が大きく、唯一の4WDである。それでいてRX-8を上回る燃費を記録している。
排気量だけでは燃費は決まらない、ということがよくわかる比較だと思う。
それぞれの詳細は別記事にまとめている。


ハイオク指定という現実
燃費を語るうえで避けられないのが、A3 3.2 quattroはハイオク指定だということだ。カタログにも「無鉛プレミアムガソリン」と明記されている。
レギュラーとの価格差を考えると、同じ距離を走っても燃料代は割高になる。「10.6km/L」という数字だけで家計を計算すると、実際より安く見積もってしまう。
燃費(km/L)だけでなく、燃料の単価も含めて考える必要がある。 これは輸入車を検討する人が見落としがちなポイントだ。
燃費を良くするために意識していること

特別なことはしていない。ただ、次の点は日常的に意識している。
① 一定の車速を維持する
これが一番効くと感じている。速度が上下するたびに、燃料は余計に消費される。前方の流れを読み、車速を保つことを意識するだけで数字は変わる。
② 無駄な加減速をしない、滑らかな運転
急加速も急減速も燃費には不利だ。信号や先行車の動きを早めに読み、アクセルとブレーキの操作そのものを減らす。結果として、同乗者にとっても快適な運転になる。
最高記録の14.1km/Lは、まさにこの走り方ができたときの数字である。
③ タイヤの空気圧を管理する
空気圧の低下は転がり抵抗を増やし、燃費を悪化させる。ガソリンスタンドでも測れるが、自宅にエアゲージが1つあると気軽に確認できる。
JAFでも推奨されている通り、月に1回はチェックしたい。
④ 燃料添加剤という選択肢
走行距離が伸びた個体のコンディション維持として、燃料添加剤も試している。詳細は別記事に書いた。

⑤ガソリン代を自分で負担しない、という発想
ここまで「燃費を良くする」話をしてきたが、実はもうひとつ別のアプローチがある。
ガソリン代を支払う原資を給料以外から作るという考え方だ。
筆者は株の配当金でガソリン代をまかなっており、実質的に燃費を向上させたのと同じ効果を得ている。燃費を1km/L改善するより、こちらの方が効果が大きいし持続性があると感じている。
詳しくは別記事にまとめた。

まとめ

アウディA3(8P)3.2 quattroの実燃費をまとめる。
- 平均実燃費:10.6km/L(6,420.8km・22回給油の実測)
- カタログ燃費9.7km/Lを約9%上回った
- 最高14.1km/L、最低6.3km/L。条件によって倍以上変わる
- 今回の計測ではメーターの燃費計は誤差約2%であった
- タンク60Lで航続距離は約636km。長距離は意外と楽
- ただしハイオク指定なので、燃料代は割高になる
3.2LのV6エンジン、1,600kgの車体、そして4WD。この条件で10km/Lを超えているのは、思っていたより優秀だというのが正直な感想である。
A3の3.2は台数が少なく、実燃費の情報も乏しい。購入を検討している人の参考になれば幸いだ。
なお、20年落ちのA3を維持することそのものについては、別記事に書いている。


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