ALH(アダプティブLEDヘッドライト)はロードスターだけでなくCX-5・MAZDA3・CX-30など現行の多くのマツダ車に搭載されている先進安全技術だ。このシステムは、夜間の運転をより安全にし、ドライバーに安全・安心な視界を届ける。
本記事ではALHについて解説する。ロードスターRFでの実体験をもとに解説するが、他のマツダ車の検討者にも参考になるはずだ。
ALHがどのようにして運転の安全性を高め、快適なドライビング体験を提供するのか、またその特徴やメリット・デメリットについても掘り下げる。
ALH(アダプティブLEDヘッドライト)の主なメリット
ALHの役割と基本機能
ALH(アダプティブLEDヘッドライト)は、運転環境に応じてライトの配光を自動的に調整する高度なシステムであり、一般的にADB(アダプティブ・ドライビング・ビーム)と呼ばれる高度に制御されたヘッドランプシステムの一種である。
これにより、夜間の視認性を大幅に向上し、ドライバーがより安全に走行できるようサポートしてくれる。特に、カーブや交差点での視認性を高めることで、潜在的な危険を回避しやすくなる。
ロードスターRF(ND2)が納車されて以降、夜間ドライブも積極的に行ったが、ALHはとても有用な技術だ。
ALHの基本的な仕組み
ALHは車両前部に搭載されたフォワード・センシング・カメラで読み取った交通状況に合わせ、リアルタイムに光の方向や強さを自動で調整し、対向車に配慮しながらも最大限の視界を確保する。
これにより、ドライバーは夜間でも、安心してドライブができるようになる。ALHが自動で光を調整するため、運転中のストレスを軽減し、運転に集中できる環境を提供する。

他のヘッドライト技術との比較
従来のハロゲンランプやHID(高輝度放電灯)ランプに比べ、LEDを使用したALHは明るくエネルギー効率も高いのが特徴だ。また、ALHは単なるLEDヘッドライトにとどまらず、周囲の交通状況に応じた配光パターンを自動で調整することで、他のヘッドライト技術と比べても優れた視認性と安全性を提供してくれる。
ALHを選択可能な車種
ALHはマツダの多くの車種で採用されている。
| 車種 | ALHの有無 |
|---|---|
| ロードスター(ソフトトップ) | グレードにより標準/オプション |
| ロードスターRF | 標準装備 |
| MAZDA 2 | グレードにより標準/オプション |
| MAZDA 3 | グレードにより標準/オプション |
| CX-30 | グレードにより標準/オプション |
| MX-30 | グレードにより標準/オプション |
| CX-5 | グレードにより標準/オプション |
| CX-60/CX-80 | グレードにより標準/オプション |
注意したいのは、同じ車種でもグレードや年式によってALHの有無が異なることだ。
標準装備なのか、オプションなのか、そもそも選べないのかは、購入前に必ず公式サイトや公式カタログ、販売店で確認してほしい。
ALHの3つの主要機能
グレアフリー(防眩)ハイビーム
約30km/h以上での走行時、対向車や先行車が眩しくないように片側あたり12個のセグメントに分割した照射エリアを部分消灯しながら、ハイビームでの良好な視界を確保する。
つまり、ハイビームの明るい視界の確保と対向車や先行車に対する防眩を両立する機能である。

ロードスター電子取扱説明書によると反射が眩しい標識に対しても減光するようだ。

カーブ配光機能
このグレアフリーハイビームにはステアリング操作に応じて照射範囲を可変させるカーブ配光機能が備わっている。コーナリング時にハイビームの照射方向をコーナー出口の方向に向けてくれ、夜間のワインディング走行における安心感が向上する。

ワイド配光機能ロービーム
約40km/h以下での走行時、ロービームをよりワイドに照らし、車両近くの左右視界を拡大する機能。歩行者や自転車に対する視認性をアップしてくれる。

画像:MAZDA ROADSTER電子取扱説明書より
停車時のウインカー連動点灯
このワイド配光ロービームは停車すると減光する。(おそらく渋滞時や信号待ちでの周囲への幻惑防止と思われる。)
しかし、減光後もウインカーを作動させると停車中であってもワイド配光ロービームが作動する。これは便利で、交差点で歩行者が途切れるタイミングを見計らって進むようなシーンで安全確認を行うのにとても役に立つ。
ハイウェイモード
約100km/h以上の高速走行時、光軸を上げてより遠方の視認性を向上する機能。この機能のお陰で夜間の高速道路走行時に、より遠くの標識や障害物などの素早い認知をサポートしてくれる。

歩行者マーキングライト
市街地を走行するようなシーンで、システムが自車と衝突する可能性のある歩行者を検知すると、マーキングライトが作動する。このマーキングライトはロービーム点灯時とハイビーム点灯時で作動の仕方が異なる。
ロービーム点灯中は、自車と衝突する可能性のある歩行者に対してのみハイビームを強調照射する。先ほど説明したグレアフリーハイビームが持つ複数の照射エリアのうち、歩行者方向のLEDのみ強調照射する形だ。これにより自車と衝突する可能性のある歩行者に早く気付くことができる。

ハイビーム点灯中は、自車と衝突する可能性のある歩行者に対してのみハイビームを点滅させる。先ほど説明したグレアフリーハイビームが持つ複数の照射エリアのうち、歩行者方向のLEDのみ点滅させる形だ。これにより自車と衝突する可能性のある歩行者に早く気付くことができる。

ALHの利便性とメリット

夜間走行時のストレス軽減
ALHの自動可変配光により、夜間走行時のストレスが大幅に軽減される。ハイビームとロービームの手動切り替え操作が不要になることで運転に集中でき、特に長距離ドライブでは疲労感が軽減される。
一度味わうとALHでない従来のヘッドライトには戻れないと感じる。
ドライバーと同乗者の安全性向上
ALHはドライバーだけでなく、同乗者の安全性も向上させる。広範囲を明るく照らすことで、予期せぬ危険を早期に発見しやすくなり、安全なドライブを楽しむことができる。
エネルギー効率と環境への配慮
LED技術を採用したALHは、エネルギー効率が高く、環境への負荷も軽減している。また、LEDは長寿命であるため基本的に交換が不要で、ランニングコストの低減にも寄与している。ALHの導入により、ロードスターRFは環境に優しい車両としても評価されるだろう。
また、旧来のハロゲンランプのクルマでもバルブ交換により光源をLEDにすることができる。
例えばNAロードスターや前期型NBロードスターはH4というバルブだが(シールドビーム除く)H4対応のLEDバルブがある。
ALHのデメリット
デメリットは無い、と言いたいところだが、高機能ヘッドライトであるため万が一壊すと修理費が高い。

ALHの評判は?実際に使って感じた注意点

ALHの評判を調べると、「夜間運転が楽になった」「一度使うと戻れない」という好意的な声が多い。筆者も同意見で、夜間のストレスは明らかに減った。
一方で、使い始めに気になったことが1つある。「ハイビームのまま走って、対向車に眩しくないのか?」という心配だ。
ALHのグレアフリーハイビームは、対向車や先行車の部分だけを自動で遮光する仕組みだが、本当に機能しているのか、運転席からは分かりにくい。相手に迷惑をかけていないか、最初は不安だった。
そこで筆者は、夜間に配光をよく観察してみた。すると、対向車が現れた瞬間にその方向だけスッと暗くなり、すれ違った後に再び明るくなるのがはっきり確認できた。対向車からパッシングを受けたこともない。結論として、遮光はきちんと機能しており、心配は不要だった。
それ以外に不満は特にない。強いて言えば、システム任せである以上、状況によっては自分でロービームに切り替える判断も残しておくべき、という程度だ。
まとめ

ロードスターRFをはじめマツダ車に装備されるALH(アダプティブLEDヘッドライト)は、夜間の運転をより一層安全にし、ドライバーに快適なドライブ体験を提供してくれる。
- グレアフリー(防眩)ハイビーム
- ワイド配光ロービーム
- ハイウェイモード
という3つの主要機能が、さまざまな状況で最適な視界を確保しドライバーの負担を軽減してくれる。また、エネルギー効率の高さや環境への配慮も、ALHの大きな魅力だろう。
ロードスターRFをはじめマツダ車を選ぶ理由としてALHは非常に大きなポイントとなる。この記事を参考に、ALHという優れた安全技術を理解し、ぜひその魅力を実感してほしい。


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