ロードスターRFの前に乗っていたRX-8は、エンジンのオーバーホールなしで走行距離14.5万キロまで調子が良い状態をキープできた。
RX-8の扱い方で気をつけていたこと、特にロータリーエンジンの扱い方について解説する。
RX-8は「やめとけ」と言われるのはなぜか
RX-8について調べると「やめとけ」という言葉を目にして、購入をためらっている人も多いだろう。そう言われる理由はだいたい決まっている。
- エンジンオーバーホール前提と言われる:ロータリーは10万km持たない、圧縮が抜ける、という定説
- 燃費が悪い:街乗りでリッター一桁前半になることも
- オイル管理がシビア:ロータリーはオイルを消費するため、管理を怠るとエンジンを痛める
- 維持費への不安:上記の積み重ねで「金食い虫」というイメージ
たしかに、何も知らずに普通のクルマと同じ感覚で乗れば、これらは現実になり得る。
しかし筆者の実体験を言えば、RX-8を14.5万km、エンジンオーバーホールなしで最後まで好調のまま維持できた。オーバーホールが話題になる14万kmを超えても、エンジンは元気だった。
違いを生むのは、ロータリーエンジンの特性を理解した扱い方だ。特別な技術も高額な費用も要らない。日々の乗り方とオイル管理という、誰にでもできる習慣だけである。
本記事では、筆者が実践してきたその扱い方を3つに絞って解説する。
「やめとけ」と言われるクルマを、正しい知識で長く楽しむ。それができたときの満足感は、RX-8というクルマの魅力そのものだと思っている。
RX-8ロータリーエンジンの扱い方ポイント3選

RX-8は走行距離2.3万キロの中古車を購入して以来、約8年と12万キロ強を走行し、走行距離14.5万キロまで保有した。一般的にエンジンのオーバーホールが意識される距離であるが、手放すまでいたって快調を維持した。
エンジンは毎回一発で始動するしアイドリングも安定している。ワインディングやサーキットを走らせてもパワーの衰えは感じない。燃費も納車時から特に落ちた感じもしない。
今までの保有体験で実感したRX-8の扱い方において大切なポイントは下記の3点である。
- しっかり暖機運転を行う
- 低回転&高負荷を避ける
- オイル交換をこまめに行う
しっかり暖機運転を行う
昨今の環境問題への配慮からアイドリング暖機は良くないこととされている。また、クルマ全体の観点からエンジン単体だけでなくトランスミッションやデファレンシャル・ギアといった駆動系部品も走行しながら一緒にゆっくり温めるべきとの意見もあり、それは一理あると思う。
しかし、RX-8にはアイドリング暖機が必要だ。
事実、取扱説明書にこのように書いてある。

エンジンがかかったら暖機を行ないます。
(中略)
暖機運転は水温計の針が動き出す程度で十分です。
2005年式RX-8取扱書 P.145
では「水温計の針が動き出す程度」とはどの程度だろうか。
答えは水温が45℃になるまでである。(OBD端子から取得可能なCAN信号上の水温値)


RX-8オーナーの方と話していると、エンジンの調子を悪くしてしまった方は暖機運転をきちんと行っていないことが多い。エンジンが温まっていない状態で走り出すと、アペックスシールとローターハウジング間など各部のクリアランスが設計意図の状態になっておらず負荷が掛かってしまう。
朝一発目のエンジン始動後に急いで出発したい気持ちは分かるが、RX-8を長持ちさせたいなら暖機運転をする余裕を持つように心がけたい。
低回転&高負荷を避ける
具体的には2000rpm以下を使用しないように走る。
これは平坦路の場合で、上り坂や急加速時などエンジンに負荷が掛かる状況では3000rpm以上を使った方が良い。
とにかくエンジンが低回転で高負荷な状況を避けること、これが重要だ。
事実、2000rpm以下の領域で加速しようとすると明確にエンジンが苦しい感じの音がするし、ガクガクと振動も大きい。運転してみると分かるが、この領域は使うなとエンジンに言われているようなフィーリングがある。
ロータリーエンジンは適度に回してあげるのが基本だ。
エンジンを冷やしてあげる配慮もあると尚良い
峠道やサーキット走行など、エンジンに負荷を掛けたあとはすぐにエンジンを止めるのではなくクーリング走行をしてあげたい。ロータリーエンジンはその構造上、油温と水温が上がりやすいからだ。
水温計を確認すると、クラッチを切って惰性で流すように走ると水温が下がりやすい。
オイル交換をこまめに行う
街乗りやツーリングでの使い方では、おおよそ3000kmに1回オイル交換を行っている。(フィルターはオイル交換2回に1回。)
また、サーキット走行後は距離によらず交換するようにしている。
ロータリーエンジンは冷却水だけでなくエンジンオイルも冷却に使用している。またエンジン本体の発熱量も大きいため、レシプロエンジンに比べエンジンオイルが劣化しやすい環境にある。したがって、こまめな交換が重要となる。
銘柄はマツダ純正オイル「ゴールデン」の5w-30をずっと使用してきた。(サーキット走行含め)
まとめ
まとめると、RX-8のロータリーエンジンを好調に維持するうえで気をつけるべきポイントは下記の3点だ。
- しっかり暖機運転を行う
- 低回転&高負荷を避ける
- オイル交換をこまめに行う
ロータリーエンジンを調子良く維持するにはひと手間が必要だ。しかしその手間は、今回紹介したポイント3選のように少し意識すれば誰でも実施できるものだ。
末永くRX-8を乗るために参考して頂ければ幸いだ。
▼RX-8の維持費についてまとめました

▼RX-8の燃費についてまとめました




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