ND型のロードスター(幌)やロードスターRFにはアクティブボンネットという機構が搭載されている。
これは、万が一の対歩行者事故の際にボンネットを瞬時に持ち上げてエンジンとの空間をつくり、この空間がクッションとなることで歩行者への衝撃を軽減するというものである。
しかし、小動物と衝突した際や、ジムカーナのようなモータースポーツでコース上のパイロンがバンパーに当たった際にも作動することがある。
もし作動すると、ボンネットやアクチュエータの交換修理が必要になるのだが、それらの修理代が10万円以上となかなかの高額出費になる。(もしヘッドランプのアウターレンズにも被害が及ぶとASSY交換となり、片側で約15万円程度の追加出費になる😱)
そこで本記事ではアクティブボンネットの作動をキャンセルする方法について解説する。
アクティブボンネットの仕組み
マツダ公式の説明書では、アクティブボンネットについて次のように説明されている。
万一、歩行者と衝突して、一定以上の衝撃が車両前部に加わったとき、ボンネットの後端を瞬時に持ち上げ、エンジンルーム内の部品との空間を広く保つことで、歩行者の頭部がボンネットに衝突したときの衝撃をやわらげます。電源ポジションがONのとき、作動速度範囲内で走行中に、歩行者やその他の物体との衝突により、フロントバンパー裏に取り付けているセンサーが一定以上の衝撃を感知すると、システムが作動し、ボンネットを持ち上げます。
マツダ(株)ロードスター電子取扱説明書より
このアイテムがあるおかげで、エンジンとボンネットの空間を詰めることができてスポーツカーらしい低いボンネットが実現できているのだと思う。
アクティブボンネットをキャンセルする方法
方法その1 市販のキャンセラーを接続する
アクティブボンネットのコネクタを取り外せば作動しなくなる。しかし、単純に外したままの状態だとアクティブボンネットの警告灯がメーターに点灯する。
この警告灯が点灯しないようにするためにキャンセラーを接続すると良い。
これをアクティブボンネットのコネクタに接続すれば警告灯が点灯しない。
方法その2 キャンセラーを自作して接続する
キャンセラーの中身は抵抗である。複雑な電子回路が備わっているわけではない。
したがって、自分で抵抗を接続すれば同じ効果を得ることができる。
用意するもの
次のものを用意する。
- 2.2Ωのセメント抵抗または酸化金属被膜抵抗
- リード線(LEDの足)
- ハンダごて と はんだ
- ラジオペンチ
- ビニールテープ
抵抗を選ぶ際は発熱時に燃えないように、耐熱性のあるセメント抵抗や酸化金属皮膜抵抗を使うのが良いだろう。
抵抗の加工
セメント抵抗に付いているリード線は短いので、これを延長する。砲弾型LEDの足の太さが丁度良かった。
そしてリード線を次の写真のように曲げる。
これはアクティブボンネットのコネクタ端子に差し込めるようにするための加工である。
施工方法
ここから車両に施工していく。
まず、車両のイグニッション・スイッチをOFFにしてからバッテリーのマイナス端子を10mmのソケットを使用して取り外す。(もしCAN通信中にアクティブボンネットのコネクタを外してしまうとエラーコードが残る可能性があるため、念の為の処置である。)
ボンネット奥側の左右にアクティブボンネットの黄色のコネクタがある。
このコネクタを外す。外したら端子に先ほどの抵抗を差し込む。
そしてコネクタや抵抗に水や埃が入らないように、しっかりビニールテープ保護する。
同様のことを左右反対側のコネクタに対しても実施する。
作業が完了したらバッテリーのマイナス端子を接続し、エンジンを掛けてみる。
メーターにアクティブボンネットの警告灯が点灯しなければ成功である。
もしアクティブボンネットの警告灯が点灯した場合は、抵抗がきちんと端子に接続されていないことが考えられるので再度チェックする。
まとめ
アクティブボンネットの作動をキャンセルする方法について解説した。
費用面だけで言えば、市販されているキャンセラーを買うよりも自作したほうが安く済む。
一方で、自作する時間がない方は本記事で紹介しているキャンセラーを使うのも良いだろう。
ジムカーナなどクローズドコースでの競技をされる際に、参考になれば幸いである。
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