ロードスターRFに乗り換えるまで所有していたRX-8(前期型/TYPE-S/6MT)のカスタム内容をまとめてみようと思う。
年式・グレード
- 年式:2005年(RX-8の前期型になる)
- グレード:TYPE-S(Sport Prestige Limited) / 6MT
カスタムの方向性
街乗りの快適性・実用性を犠牲にせずに、サーキットまで楽しめる仕様を目指した。
改造パーツ
サスペンション(車高調)
TEINの車高調MONO SPORTに換装している。
これを選んだ理由は、純正ダンパーがいわゆる「単筒式」であるので社外品に交換する時も同じ単筒式にしたかったこと、そして、サーキットでタイムアップを狙えるグレードの良いものを選びたかったからだ。
TEINのRX-8向け車高調のうち単筒式は、MONO RACINGとMONO SPORTがあるが、街乗り時の乗り心地もある程度確保したかった為、その領域も意識して開発されている印象を受けたMONO SPORTを選択した。
実際、サーキットでタイムアップを果たしつつも街乗り時の乗り心地が実に良く、狙い通りで満足している。
乗り心地は、確かに硬いバネのため頭部の揺すられは純正よりもやや増えるが、突起乗り上げ時の角が丸くて収束も速くスッキリした乗り心地だ。ダンパーがきちんと仕事をしているフィーリングである。
車高は純正比でFr 25mm/Rr 20mmダウンとし、下げ過ぎない自然な車高にしている。
冷却系(ラジエーター)
江洋ラヂエーターのTYPE-Mに交換している。
RX-8(前期型)のラジエーターに付いている電動ファンは2段階で作動する。
- 1段階:水温97℃
- 2段階:水温101℃
※いずれもCAN上の水温値
ラジエーター交換後の効果は、1段階目までの水温上昇ペースは純正ラジエーターとあまり変わらないが、その先の温度上昇ペースが抑えられる感じだ。
そしてMAX水温も抑えられている。
したがって、サーキット走行ではクーリング走行の回数を減らしてアタック回数を増やせるメリットを感じた。
RX-8は発熱量の多いロータリーエンジンに対して冷却容量がやや足らないと思う。ラジエーター交換はサーキット走行をする方はもちろん、そうでない方にとってもクルマをいたわる意味でオススメである。
レカロシート
シートはRECAROのSR-6である。
そこにアルティナのシートカバーを掛けている。
SR-7とSR-6を座り比べしてみるとSR-6の方がタイトでフルバケに近いホールド感なのが気に入った。
この組み合わせは、サーキット走行でもしっかり身体を支えてくれる性能を叶えつつも、見た目は純正風という、なかなか理想のシートができたと満足している。
タイヤ・ホイール
サーキット走行用のハイグリップタイヤとしてヨコハマのNEOVA AD09、ホイールはエンケイのPF07を採用した。
サイズは下記の通り。純正サイズ(225/45R18)からタイヤ径をやや小さくすることで加速性能の向上を狙った。
- タイヤ:235/45R17
- ホイール:17×8.5J 5H 114.3 +35mm
また、先代AD08の回転方向指定からAD09はIN/OUT指定に変わった。
これは個人的にかなりメリットで、右回りサーキットだとどうしても外側タイヤ(左側)の摩耗が早くなるが左右を適宜入れ替えることでタイヤを有効に使うことができる。
またAD08比でロードノイズが低減されているように感じ、街乗りに使ってもさほど不快感がない。
なおRX-8のチューニング業界では265/35R18が標準だそうだ(汗)
こんなお値段が高いサイズのタイヤをおいそれとサーキットで削れる自信がない(^^;
ブレーキ系
ブレーキ系は次のようなパーツに換装している。
- ローター:DIXCEL(ディクセル) SD
- パッド:ZBP HS3
- ブレーキホース:オートエグゼ スポーツブレーキライン(ステンレスメッシュ製)
ローター:DIXCEL SD
ローターは、純正が摩耗限度に達して交換する際にどうせ交換するなら社外品にしてみようと思い、DIXCEL(ディクセル)のスリット入りローター「SD」に交換した。
サーキット走行などハードなブレーキングを行う機会もそれなりにあったが、交換後約6万キロ経った現在もなお歪みや異音などは一切なく、その品質に満足している。スリットの入った見た目もスポーティだ。
パッド:ZBP HS3
知る人ぞ知るZBPというメーカーのパッドを使用している。
みんカラでのレビュー評価も高い、非常にコストパフォーマンスに優れるブレーキパッドである。
効きや耐熱性レベルに応じてざっくりHS1〜HS4の順にハイパフォーマンスであるが、このうちHS3を使用している。ミニサーキットや岡山国際サーキットにてタイムアタックに使用したが効きの強さや安定性に安心感がある。街乗りでのコントロール製も良い。おすすめのブレーキパッドである。
ちなみに、お問い合わせフォームからパッド選びについて相談するとパッドについて熱く語る担当者から極めて懇切丁寧にアドバイスがもらえる☺️
ブレーキホース:オートエグゼ スポーツブレーキライン
スポーツ走行をする上で交換しておきたいのがブレーキホース。
純正のゴム製ブレーキホースではブレーキング時にホースがわずかに膨らむことで、ブレーキ力が逃げてしまう。
これをステンメッシュ製ブレーキホースに交換することで、このホースの膨らみが軽減されてダイレクトなブレーキフィーリングになる。実際、オートエグゼのステンメッシュ・ブレーキホースに交換してみるとブレーキのタッチが改善し、コントロール性が向上した。
補強系
オートエグゼ ロアアームバー
オートエグゼのロアアームバーを入れた。フロントとリアの両方である。
地味なパーツであるが、ボディ剛性(特にフロア)の補強は人間の身体で言う体幹の増強にあたり、クルマの基本性能が上がってサスペンションやタイヤが本来の仕事を発揮できるようになる。
実際、これら補強パーツを入れてみると、決して尖った性能の車になるわけではないが操安性能や乗り心地がワンランク底上げされたようなフィーリングになり、全体的に剛性感のある一層しっかりしたクルマになった。
強化エンジンマウント(LEG セミリジットエンジンマウント)
LEGのエンジンマウントを入れた。
実はこのパーツこそRX-8の基本性能を一番底上げしてくれたパーツといっても過言ではない。
エンジンは車体に付属する部品で一番重い。純正のエンジンマウントは内部にオイルを封入した液封マウントであり、これはアイドリング時の振動吸収には優れるが、柔らかい特性であるがゆえスポーツ走行時にエンジンがユサユサと揺れてしまう欠点がある。
この純正マウントがもたらす「ユサユサ揺れ」が車両挙動の質感を大きく損ない、限界走行時のコントロールを難しくしているのである。
そのエンジンマウントを強化品に交換することで、エンジンの揺れがなくなり操安性能が劇的に向上し、また、乗り心地面においても下からの突き上げに対してエンジンの重量でサスペンションに反力を返すことができるようになるため乗り心地が向上する。一言で言えばドイツ車(例えばポルシェ)のような、ガッシリした重厚感のある乗り心地になる。
一方で懸念していたアイドリング時の振動が増える弊害はなく、むしろ改善した。
灯火類
ターンランプ(ウインカー)をLED化した。
通常、バルブのターンランプをLED化すると消費電力が低くなるため車両側がバルブ切れと判断しハイフラ(バルブ切れを知らせる早い点滅)が発生する。一般的には、これを防止するためにハイブラ防止抵抗を接続する必要がある。
しかしfcl.(エフシーエル)の抵抗内蔵LEDウィンカーであれば既に抵抗が内蔵されているため、バルブ交換するだけでLED化が可能だ。
まとめ
RX-8を約8年半所有する中で徐々にライトチューンといえるレベルに仕上げていった。
当初の狙い通り、街乗りとサーキット走行を両立できる仕様にできたと思う。
今後ロードスターRFに乗り換えても同じ方向性でカスタムしていこうと思っている。
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