(画像:マツダ(株)ニュースリリースより)
2014年9月に世界初公開された現行ロードスター(4代目・通称ND)。
デビューから9年の時を経て初の大幅改良が実施された。
変更点
公式ニュースリリースや各メディア媒体より明らかになった現行モデルからの主な変更点は以下である。
エクステリア・デザイン
ヘッドランプとリアコンビネーションランプ
ヘッドランプのデザインが変更され全ての光源がLEDとなった。(従来はターンランプが電球バルブであった。)
新たにデイタイム・ランニング・ランプ(DRL)の機能が追加された。
(画像:マツダ(株)ニュースリリースより)
リアコンビネーションランプについてもデザインが変更され、同様に全ての光源がLEDとなった。(従来はターンランプが電球バルブであった。)
現行モデルではバンパーに付いていたバックランプ(後退灯)はこのリアコンビネーションランプに移設された一方、この場所にあったリフレクター(反射板)はリアバンパーに移設された。つまり、バックランプとリフレクターの位置が入れ替わった。
(画像:マツダ(株)ニュースリリースより)
ホイール
現行モデルでは16インチと17インチのデザインは同様のものであったが、商品改良にて両者のデザインが明確に区別された。16インチは軽やかでスポーティさを連想されるもの、17インチはより力強く大径にみえるようにしたようだ。
インテリア・デザイン
マツコネの最新化
新たにフレームレスの8.8インチディスプレイとなった。
メーターの漆黒化
メーターの黒色が進化し「漆黒」と言えるものになっている。針も細くなり、より精密感が増した印象だ。
(画像:マツダ(株)ニュースリリースより)
シート
色替えおよび表皮変更が実施された。
ファブリックシートについて、ソフトトップのS Special PackageとRFのSグレードについては座面が新素材「レガーヌ」の表皮となった。写真を見るとアルカンターラに似ていて従来のファブリックに比べて滑りにくそうである。
センターコンソール
表皮巻きが新たに追加され、上質感が向上した。
フレームレスミラーとSOSボタン
フレームレスかつ逆台形フォルムとなり、現行モデルに比べてスリムかつスッキリした印象だ。
(画像:マツダ(株)ニュースリリースより)
SOSボタンを押すような状況に遭遇はしたく無い。…が、一度押してみたい(笑)
(このボタンがきちんと機能するように、コネクテッドサービスに加入するつもりだ。)
ダイナミクス
アシンメトリックLSD
逆1.5WAYとも言えるLSD。加速時と減速時で異なる差動制限力を設定しているが、加速時よりも減速時のほうが差動制限力が強い設定とのこと。このセッティングにより車両挙動が不安定となりやすいターンインでの減速旋回時の安定性向上を謳っている。
納車後の慣らしが終わったらサーキットにも持ち込んでみたい。
なお、アシンメトリックLSDについてはモータージャーナリストの五味さんによるYouTubeチャンネルE-CarLifeで詳しく解説されている。
DSCの新モード「DSC-TRACK」
DSC(横滑り防止装置)の新制御モードとして、サーキットなどクローズドコースにおけるスポーツ走行向けにDSC-TRACKが採用された。基本的にOFFしつつも本当に危ないシーンで車両挙動をサポートしてくれるそうで、モータースポーツ初心者がステップアップするうえでありがたい装備だと思う。これを機にモータースポーツに挑戦する人が増えると嬉しい。
モードの詳細や意図については、こちらの開発者インタビュー記事に詳しく記載されている。
電動パワーステアリングの進化
リリース文を引用する。
より軽やかで正確なステリングフィールを実現するため、ステアリングシステムにも改良を加えました。ステアリングラックの摩擦を低減しながら、モーターアシストの制御ロジックをより緻密に進化することで、自然ですっきりとしたフィードバック感を実現。ハンドルを切り始めてから戻すまで、一貫してタイヤと路面のコンタクトが感じられ、まるでドライバーの操舵意図が直接ロードスターに伝わっているような、高い一体感を目指しました。
マツダ(株)ニュースリリースより
ディーラー駐車場を走り始めたときから感じられるのだろうか。納車が楽しみだ。
エンジンパフォーマンスフィールの進化
アクセルを踏み込んで加速するシーンだけではなく、アクセルを緩めて減速するシーンにおいてもよりドライバーの意に沿った駆動力の応答性を実現とのこと。一見地味だが、コーナー入り口で軽くエンジンブレーキでタイヤに荷重を乗せて曲がるような操作をするシーンで光りそうだ。
先進安全機能
MRCCの採用
クルマの楽しみ方にはいろいろあるが、私は長距離ツーリングが一番好きだ。ロードスターRFが納車されたら日本中をツーリングしたい。その際、高速道路でこのMRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)がかなり快適性を上げてくれるだろう。
総評
今回のロードスターおよびロードスターRFの大幅改良は、総じて見れば装備の充実化といえそうだ。
ライトウェイトスポーツがもつ伝統的な素朴さを重視する方にとってはやや装備過剰に映るのかもしれない。
一方でロードスターRFについては、デビュー当初よりスポーツだけではなく快適性や上質さも意識された上級志向の商品コンセプトであるため、今回の大幅改良との相性が良いように思う。
そんな思いもあり、ロードスターRFを契約した。納車を楽しみに待ちたい。
▼NDロードスターのギア比から巡航エンジン回転数を計算した。(今回の大幅商品改良でギア比の変更はない。)
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